博物館網走監獄は、1890年に開設された旧網走監獄の歴史を学べる施設です。木造にも関わらず北海道の雪風に打ち勝った当時の建築物は、網走監獄内にて移築復原され、今も大切に守られています。
貴重な建築物と、当時の様子を再現したリアルな人形たち。映像や音声なども交え、あらゆる角度からお客さんを楽しませるための工夫がいっぱい。子供から大人まで楽しめる施設です。
また、北海道を舞台にした人気漫画”ゴールデンカムイ”の聖地としても有名。正門や教誨堂など、作中で実際に描かれた場所を巡ることができます。
博物館網走監獄
ゴールデンカムイ第2期/エピソード22〜24の舞台となった場所
アニメ|ゴールデンカムイ第二期を締めくくる重要なシーンとして描かれた場所が博物館網走監獄。
敷地面積は東京ドームの約3.5個分に相当し、ほとんどの建物が野外にあります。
訪れたのは2020年2月中旬。庁舎と監獄歴史館以外は暖房がないので、冬に訪れる場合は防寒対策をしっかり行った方が良いでしょう。
第13巻
第14巻
[アニメ/ゴールデンカムイ]
エピソード22 新月の夜に
エピソード23 蹂躙
エピソード24 呼応
※以下、記事の見出しに書かれている番号は網走監獄のパンフレットに記載されているものです。
[入館受付]パンフレット②
パンフレットを見ながら見学ルートを決めましょう
こちらで入場料をお支払いします。受付の隣にはロッカーがあるので、荷物を預けたい場合はこちらを利用しましょう。
私達はホテルにチェックインする前で、大量のお土産を持ちながら移動していたので、ロッカーがあって助かりました。
網走監獄の所要時間
受付でいただいたパンフレットには、網走監獄の地図があります。見学ルートとおおよその所要時間も書かれているから、初めて訪れる方でも安心。
”じっくりコース(所要時間:約120分)”と、”早まわりコース(所要時間:約60分)”のふたつのコースが提案されています。
個人的には3時間くらいかけてゆっくり見学したかったのですが、寒さとスケジュールの関係で”早まわりコース(所要時間:約60分)”を参考にすることにしました。
[正門]パンフレット③
ゴールデンカムイの中でも重要なシーン
いよいよ網走監獄の内部へ!通称「赤レンガ門」と呼ばれる網走刑務所正門が威厳を放っていました。
[旧網走監獄 庁舎]※重要文化財 パンフレット④
重要文化財の見所や開拓の歴史を学ぶ
庁舎は当時、刑務所管理部門の主軸となる建物だったようです。庁舎を含む8棟の建物が国の重要文化財に。また、6棟が登録有形文化財に指定されています。
北海道開拓の歴史と言えば屯田兵や入植団の活躍が有名ですが、当時の網走監獄の囚人達も大きく携わっていました。
1890年代の農業機械が発達していない時代に、網走から旭川まで繋がる163㎞の道路をわずか8ヶ月間で完成させたのです。
北海道の道路には、当時の囚人たちの努力が詰まっているんですね。
ゴールデンカムイ関連のお土産はここにアリ!
庁舎の中には、杉元やアシㇼパのパネルや、ゴールデンカムイ作者の野田サトル先生のサイン色紙の展示がありました。
ゴールデンカムイ関連のお土産もあります。(ゴールデンカムイ関連のお土産はここでしか購入できません。)
そのほか、網走監獄のガイドブックや研究資料などの書籍など刑務所作業製品等も購入できます。
[旧網走刑務所 職員官舎]パンフレット⑦
おそらく門倉看守部長の宿舎のモデルとなった建物
当時の刑務所職員の暮らしを再現した建物です。ちゃぶ台や囲炉裏など、時代を感じるアイテムが展示してあります。やはり人形がリアルですね。人様のお家にお邪魔しているみたいな感覚です。
冬季限定!かまくらで出来た懲罰房
職員官舎の向かいには、雪で作られたかまくら風の懲罰房がありました!実際に中に入ることも出来て楽しかったです。冬ならではの特別な撮影スポットですね。
[休泊所]パンフレット⑩
”タコ部屋”の由来となった様式
休泊所は日帰りできない作業をした際に、宿泊する仮小屋として利用されていた建物です。出入口が1ヶ所で逃亡しにくい構造。開拓時代の工事現場でも取り入れられ、後に”タコ部屋”と呼ばれるようになったようです。
身体を起こし、腕で顔を覆っている囚人。私達が撮影するシャッターの光が眩しいのでしょうか。それとも泣いているのでしょうか……。
刑務官がひとり、囚人たちを監視しています。実はこの休泊所の中には、刑務官がもうひとり居るんです。想像していない場所に居たのでびっくり!心臓が止まるかと思いました。
※もしかすると体勢はランダムに変えられているかも!その都度様子を確認してみて
[耕耘庫]パンフレット⑪
農業においても活躍した網走監獄の囚人たち
明治24年に建てられた耕耘庫(当時使用した農機具や肥料が収められていた場所)を再現構築した建物です。
網走監獄ではアメリカの近代農業制度を取り入れ、農業技術を学びました。後に日本で唯一水田を持つ刑務所となり、”農園設備特設刑務所”に指定されたのだそうです。
こちらの耕耘庫では、びっくりさせられることがありました。よーく観察してみてください!
[舎房及び中央見張所]※重要文化財 パンフレット⑯
第七師団&囚人達が大乱闘した場所
中央見張所を中心とし、放射状に建設された五つの舎房で形成された建物で”五翼放射状房”と呼ばれていました。
明治45年に建設された当時の様式を再現し、昭和60年に移築。こちらは、重要文化財に指定されている大変貴重な建物です。
当時の刑務官は、中央見張所の中央八角形の哨舎から各舎房が連なる廊下の様子を監視していました。
高くそびえる天井に昭和の脱獄王?
脱獄する気なんて失せてしまいそうな高い天井。しかし、当時この舎房から脱獄に成功した人物がいたのです。
その人の名は、白鳥由栄(しらとりよしえ)。網走監獄を含め、青森・秋田・札幌と計4箇所の刑務所から脱獄に成功したことから”昭和の脱獄王”と呼ばれていた人物です。
第一舎から第五舎の中のどこかに、昭和の脱獄王・白鳥由栄の脱獄シーンをイメージした人形が展示してあるので、ぜひ探してみてください!
舎房を監視する刑務官
鋭い目つきで舎房を監視する刑務官。きっと当時もこのように巡回していたのでしょう。
囚人の様子を監視する視察孔
刑務官が囚人たちの部屋を監視するために作られた”視察孔”と呼ばれる覗き穴。多くの部屋がありますが、いきなり囚人の人形が居るのでびっくりします。
独居房の様子
悲しそうに正座している囚人。ちょっと切なくなりました。壁を破られないよう、独居房は約21cm間隔で建設されています。
雑居房の様子
仲良く食事している囚人たち。トイレも部屋内にある(画像左奥)ため、用を足す時は恥ずかしいですね。広さも3人にしては狭く感じます。
[浴場]パンフレット⑰
入浴中も監視されている囚人たち
入浴は大浴場を利用していました。ボイラー式でコンクリートの浴槽は、明治45年の当時としてはとても近代的なもの。
刑務官の監視つきで、たった15分間の入浴ではありますが、入浴は囚人達にとって楽しみな時間だったようです。
[煉瓦造り独居房]※登録有形文化財 パンフレット⑱
窓がなく光が遮断された独居房
こちらの独居房は、煉瓦造りの技術を持った囚人が作ったもの。登録有形文化財として保存されている建物です。
当時、規則違反をした囚人は、窓がなく光が差し込むことのない独居房に入れられていました。
さらに、食事の量も減らされていたとのこと。厳しい罰を受け、自分を見つめ直していたのでしょうか。
[独立型独居房]パンフレット⑲
広さは畳2枚分
瓦葺き屋根と板張りの独居房。こちらは煉瓦造り独居房とは違い、入口と欄間から明かりが入る仕組みになっています。
独居房で床を見つめる囚人の人形にはドッキリさせられました。
[旧網走監獄 教誨堂]※重要文化財 パンフレット⑳
土方歳三と犬童典獄が戦った場所
僧侶や牧師が受刑者に人の道を説いた場所。柱と陸梁を方杖で固め、無柱で広々とした空間を作り出しています。術和と洋が入り混じった礼拝堂のような雰囲気でした。
[監獄歴史館]パンフレット⑬
見せ方が凄い!五感で歴史が学べる施設
展示や体験を通して網走監獄の歴史を学べる施設。開拓の様子や当時の囚人が身につけていた囚人服、現在の囚人の暮らしなど、興味深い内容が盛りだくさん。
この施設は暖房があったので身体を暖めることができました。
実際に使用していた囚人服や手錠など
当時使用していた囚人服や手錠などを展示してあるスペース。冬の北海道で暖房設備も整っていない中、こんなに薄着で過ごしていたなんて……。
この格好で道路開拓や農業など外での作業も行っていたんですよね。想像するだけで辛いです。
弁当箱や履物など
下駄と草履!冬の北海道でもこのようなスタイルだったのでしょうか。お弁当は日の丸弁当だったんですね。
監獄体感シアター
左右前方の3面に映し出される映像は迫力満点!中央道路の開削をテーマにした映像を鑑賞できるスポットです。音声にも迫力があり、見応えがあります。
囚人体験ができるコーナー
編み笠を被り囚人服を着て、なりきり囚人体験!あなたも監視されながら歩く、3人の囚人に紛れてみましょう。写真や動画を撮影すれば、きっと網走監獄の良い思い出になるはずです!
※現在はコロナウイルス感染防止のため再開は未定
[漫画/ゴールデンカムイ]
第9巻
[アニメ/ゴールデンカムイ]
エピソード15. 昔の話をしよう
廊下に見え隠れする囚人
監獄歴史館を歩いていると、廊下にライトで映し出される囚人の姿が!現れたり消えたりするので、ぜひ探してみてください。
現在の網走刑務所の様子を見学できるスペースも
廊下に佇む刑務官のパネル。両サイドには部屋番号と受刑者の名前が書かれているドアがいくつも並んでいます。
受刑者たちの部屋を見学
大部屋の様子です。私物用のコンパクトな棚と寝具。簡素な部屋ですが、テレビがあるんですね!
網走刑務所の1日
受刑者たちの1日のスケジュールが書かれたパネルがあります。起床時間はそんなに早くないんですね。
就寝時間は早い!この生活を続けていれば慣れるものなんでしょうか。
網走監獄のお土産について
網走監獄でお土産を購入できる場所は”庁舎”と出口付近にある”みやげの館”の2箇所。
冒頭でもお伝えしましたが、ゴールデンカムイ関連グッズは庁舎にしかないのでご注意ください。(買っておけばよかった)
みやげの館には、網走監獄関連のお菓子やグッズ、北海道のお土産などが揃っています。
網走監獄 ブラックラングドシャ
舎房が描かれたパッケージは、網走監獄らしさが満載!ひと目でどこのお土産かわかるのが良いですね。
こちらお土産でお渡しした際にひとつ頂きましたが、甘過ぎずちょっぴりビターな大人の味。甘すぎるのが苦手な方に喜ばれるお土産だと思います!
網走監獄 ミルククリームサンド
こちらはミルククリームサンド。大人から子供まで喜ばれるお土産です。網走監獄の正門がデザインされたパッケージもいい感じです。
ゴールデンカムイ目線で楽しむスポットまとめ
正門は、杉本がアシㇼパ達との待ち合わせに指定した場所
■庁舎
ゴールデンカムイ関連のお土産を購入できる場所。杉元やアシㇼパのパネルや、ゴールデンカムイ作者の野田サトル先生のサイン色紙の展示もあり
■職員官舎
おそらく門倉看守部長の宿舎のモデルとなっている建物
■舎房及び中央見張所
五翼放射状房は、激しい戦いが繰り広げられた場所。白石由竹のモデルとなった昭和の脱獄王”白鳥由栄”の人形がある
■教誨堂
土方歳三と犬童典獄が戦った場所
■監獄歴史館内の囚人体験
土方歳三と永倉新八が再開するシーンを連想させる。縄に繋がれた囚人の人形が居る
[漫画/ゴールデンカムイ]
第13巻
第14巻
[アニメ/ゴールデンカムイ]
エピソード22 新月の夜に
エピソード23 蹂躙
エピソード24 呼応
網走監獄をもっと楽しむためのミッションまとめ
庁舎で野田サトル先生のサイン色紙を見つけよう!
■網走監獄ミッション②
休泊所で写真嫌い(泣いている?)囚人さんと二人の刑務官見つけよう!※もしかすると体勢はランダムに変えられているかも!その都度様子を確認してみて
■網走監獄ミッション③
耕耘庫内で私がびっくりした事とは何でしょう?(ヒント:動いていました)
■網走監獄ミッション④
舎房及び中央見張所で白鳥由栄の人形を探そう!
■網走監獄ミッション⑤
舎房及び中央見張所で囚人の人形を探してみよう!(色々な部屋に散らばっています)
■網走監獄ミッション⑥
監獄歴史館でライトで映し出される囚人を見つけよう!(囚人はランダムに現れます)
網走監獄は魅力的すぎる施設でした
網走監獄は、楽しみながら歴史や建築文化を学べる大変貴重な博物館。ゴールデンカムイファンも大満足する聖地でした。
ゴールデンカムイファンじゃなくても、一度は足を運んでいただきたい!貴重な建造物や独特の展示方法に、あなたもきっと引き込まれていくはずです。
今回はあまり時間が無く急ぎ足でしたが、今度はじっくり時間をかけて見学したいと思っています。
網走監獄には入場料の割引があります
網走監獄の公式ホームページに、入場料が10%割引になるインターネット割引券があります。(1枚で1グループ有効)
画像を印刷するか、携帯・スマートフォンなどの画面を提示すればOK。私たちも利用させていただきました。
監獄食が味わえるのもおもしろい!
監獄食堂では、現在の網走刑務所で受刑者たちが食べている食事を再現した”監獄食”が味わえます。
ご飯は麦と白米を3:7の割合で炊いた麦飯。焼き魚に副菜が2品とお味噌汁がついたセットメニュー。
提供時間は11:00〜15:30(ラストオーダー 14:30)までです。
博物館網走監獄の様子を動画でご覧になりたい方はこちら
博物館網走監獄のアクセス&詳細情報
■7月〜9月 8:30〜18:00
■10月〜6月 9:00〜17:00
定休日
基本的に年中無休(入館は閉館時間1時間前まで)
入場料
・大人 1,100円
・大学・高校生 770円
・小中学生 550円
・団体割引 2割引(20名様以上)
・福祉料金 550円
・網走市民割引 2割引
・インターネット割引券(10%OFF)
住所
〒099-2421 北海道網走市字呼人1
■バス|JR網走駅から約10分
網走バス「市内観光施設めぐり」に乗車。博物館網走監獄で下車
■車|JR網走駅から約7分
無料駐車場あり(乗用車400台・バス専用レーン21台・身障者専用、バイク専用レーン有)
電話番号
0152-45-2411